あと少しが我慢できない
実家に戻ってから数日間、忙しい家族に代わって私が食事を作っていた。一人暮らしのうちに習得した料理スキル(というより単純に手際)を褒められた。気分がいい。
昨日の夕飯は親が仕事帰りにお寿司を買ってくるとのことだったので、私にやることは無かった。とにかく寿司をベストな状態で食べたかった私は、昼ごはんに炭水化物をほとんどとらず、生野菜をたくさん食べておいた。お腹をできる限り減らしておきたかったのだ。
しかし結局の親の仕事が長引き、連絡もないまま19時を迎えようとしていた。
これは遅くなるなあと、夕飯用のサラダを作り終えた頃に思った。
空腹メーターは悲鳴を上げていた。はやく、はやく寿司を食べたい!!!
頭の中はそれでいっぱいだった。箸を並べ、お茶の用意をする。
一人暮らし時代はなぜか、毎日16~17時に夕飯を済ませてしまっていたため、自分にとって19時過ぎはもう空腹の極みであった。
冷蔵庫を開けると、セブンイレブンで売られている、小さなカップに入ったみたらし団子が目に入った。
…ひとつくらい食べてもいいだろう。みたらしあんはキラキラと輝いている。
結局食べた。
ひとつ食べた。
その瞬間を見計らったかのように親は帰宅した。
私は速攻でみたらし団子のカップを冷蔵庫に戻した。
あと数分、いや、あと数十秒待っていられたらよかったのに!!
なぜ我慢ができなかったの?!恐ろしい食欲の女ね!!!!
と、自らの食欲に呆れるばかりであった。